第109話 『ラルトスを救え! 急げマサト!』

■セルロスタウンの近くの森にいるサトシ一行。
「船でルネシティへ行って、最後のバッジ、ゲットだぜ!!」
燃える、燃えるサトシ!!
で、凍らせるのはユキワラシの役目です。

熱血サトシと言えば、自信過剰になる、駄目トレーナーな印象がある。
たいてい、良いことないんだよね。
でも、今回は、燃え始めてすぐに冷やされた。
サトシが暴走するのを、ユキワラシが止めてくれたように見える。
(でも、ユキワラシは、それを分かっててやるんじゃなくて、
ただ単にいたずらでやったんだと思うな。)

ここでちょっと矛盾することを書くけれど、
もしユキワラシがいなくても、
今のサトシなら、自信過剰なんて、ならないかも、と思った。

最近のサトシの、トレーナーとしての、
そして少年としての成長振りはめざましいと思う。
もう、サトシは、初心者なんかじゃない。
立派なポケモントレーナーだ。
カントーやジョウトの頃のサトシと、
ホウエンに来てからのサトシは、全然違う。

これは、ハルカとマサトの存在が、そうさせたんだと思う。
ハルカは、サトシより後にトレーナーになった。
ポケモントレーナーとしての基礎知識を教えるのは、サトシの役目になる。
(もちろんタケシもいるけれど、こういうことに積極的なのはサトシの方だろう。)
そして、知識はサトシよりあるかもしれないけれど、
実戦経験ゼロのマサトに、
本物のポケモンを教えることができるのはサトシだけだ。

2人の後輩を指導するという形で、
サトシは自分自身の心を成長させることができたのではないだろうか。
たとえば、「よーし、がんばれぇー、マサト!」と
ラルトスの面倒を見ると宣言するマサトを見守るサトシ。
これもお兄ちゃんという立場になることで、
サトシ自身も成長してることを証明しているように思います。

また、サトシは一人っ子だけれど、ハナコママのカリスマ性のおかげで、
俗に言われる「わがまま」の傾向はない。
(この辺のハナコママ武勇伝は、ぜひとも小説を読もう!)
あるとすれば、以前の、突っ走る性格を指すのかもしれない。
でも、今は妹・弟に値するハルカとマサトがいる。
兄弟を得たことで、しっかりしなきゃ、と、
自然とサトシも大人になっていっているのだろう。

■ハルカ「ラルトスって可愛いかもー。」
私もそう思いますーv
某掲示版でも、ラルトスの人気が高いことが伺えます。
ラルトスが出るから、今日のポケモンを見る、という方もいらっしゃいました。
今日のは、かなり感動的&芸術的な話だったので、
これを機に、ポケモンを見る人が増えたらいいなぁ、と思いました。

■マサト「セルロスタウンまで、ボクが運ぶよ」
セルロスタウンでは何が起こるのかなー、と思ったら、
来週はもうルネシティに到着してるではないか。
ポケセンを利用するためだけの名前なのね。
うーん、ちょっとさみしい気もする…。

■「まぁ、オレのチリーンほどでもないがな。」
親バカコジロウさんだ。
そうか、初恋の相手(?うろ覚え)だったから、
チリーンはマイ・ポケモンというよりは恋愛対象なの…か?

■「ニャース。化け猫ポケモン。」
うわ新発見!!
ポケモン図鑑は、目の前のポケモンの反応をキャッチして、
図鑑が自らそのポケモンのページを引き出す機能があるのかぁ。
私は今まで、そのポケモンのページを指定して
解説を聞くタイプの使い方だけだと思っていました。

やっぱりアニメの世界の図鑑というのは、
“収集して図鑑のページを増やす”というゲームの世界とは違うらしいね。
もう、ポケモンの図鑑のページは、とりあえず未確認以外は全て載っているんだ。

確かニシノモリ教授が書いたor作ったんですよね…。
ただ、ニシノモリ教授って、他の本によると明治時代の人なんです。
なのに、アニメでは、ヤドンの進化の話で登場してました。
サトシと会話してました。
…てことは、アニメの舞台は……
ま、いっか。アニメはアニメだいっ。

■「あんた、コインなんて拾ってきたことないじゃない!
そういう能力があるなら私のために使いなさいよー!!」
ムサシはやっぱりムサシだ。
ステキお姉さんです。面白いとも言う。

■すご…。
岩根さんと浅田さんのタッグだと、
バトルシーンが映画並みです。
今日はロケット団が、サトシたちのライバルとなりうるくらい
強く見えました。

サボネアのコジロウに抱きつく仕草をサッと避ける演出が、
マンネリ化を防ぎ、且つ、笑いの要素を増やしているあたり、
スタッフさんたちのレベルの高さが伝わってきます。

トリプルバトルをおっぱじめたり、
ソーナンスが抜群のタイミングで登場したりと、
脚本の方も素晴らしいです。

■マサト「大変だよ、ラルトスが!!」
サトシたち「えっ!?」
このシーンで、注目に値するのは、、
ロケット団とのバトルの間、マサトは大人しく茂みに隠れていた、という点です。

ロケット団の奇襲なんて、数え切れないくらい経験している。
よって、別にロケット団が怖いわけじゃない。
けれども、マサトには自分のポケモンがいない。
一緒に旅をしてきたサトシたちのポケモンなら、
例え主人ではなくてもマサトの指示を聞くだろうけれど…
それでも、マサトはトレーナーではない。
だから大人しく引っ込んでいた。

この回の最後で、立派にラルトスのサイコキネシスを操ったマサトなのに、
それでも彼は、ラルトスを連れて行くことが許されないのだ。
こんなに彼は、しっかりしたトレーナーなのに…
年齢というどうしようもない壁が、立ちふさがっている。

そして、その年齢のために、マサトは自分が隠れているべきことを理解していたのだ。
偉いな、マサト。それと、辛いな。

■サトシ「マサト、今のうちにラルトスを連れて行くんだ!!」
マサト「えっ! ボク一人で!?」
サトシ「ラルトスの面倒は、お前が見るんだろ?(ニッコリと。)」
タケシ「頼んだぞ、マサト。」
ハルカ「頑張るのよ。」

「…ボク、行くよ!!」
決意のマサト。
がんばれ!

■ムサシ「凍ってると思ってた〜?」
サトシたち「あっ!!」
ロケット団がめちゃくちゃカッコイイです!!
今日のロケット団は、メカも落とし穴も何も使ってないのに、
今までに無いくらい強いです!!
カッコイイ〜〜〜!!

■マサトが木の実をラルトスに食べさせるシーン…
せせ、セレビィだぁ〜〜〜〜っ!!
うわーん、サトシと同じことしてるーっ!!!
なんだろう、なんだろう、感動シーンなんだけど、
なんだけどさ、映画と同じネタだからか、ちょっと恥ずかしい…。

でも、映画と違うところもある。
マサトが声を上げて泣いたことだ。
ここが、年齢の違いの現われかぁ。
マサト、あの時のサトシと違って一人ぼっちだもん。
どうしていいか、困って困って、そうして、泣いて…。
途方に暮れて、泣いているのだろうか。それとも、
自分の無力さに泣いているのだろうか。

■ハルカ「マサトたち、大丈夫かな…ちょっと心配かも…」
「大丈夫! あいつならきっとラルトスを守り通せるさ。」
サトシが本当にお兄ちゃんに見えます。
大きくなったなぁ、サトシ。

■キルリアのサイコキネシスから、ラルトスがマサトを守った!!
感動シーン!!
ラルトスがマサトをどれだけ信じているかが分かります!!

■マサト「おねぇちゃーん!!」
ハルカ「偉いわよ、マサト。よく頑張ったわね。」

ちょっとポケモンじゃない話になりますが、
お正月恒例番組の「はじめてのおつかい」を今年も見ました。
年齢で言えばマサトと同じ年頃の子どもたちが、
お父さん・お母さんのお手伝いをするべく、一人でおつかいに出かけます。
私たちから見れば、ただ物を買って移動するだけの話なのですが、
小さい子どもたちにとってそれは壮大な冒険なのです。
買ってくるものを間違えたり、買ったものを忘れてしまったり…
一緒にいる妹の世話をしつつ、
おつかいをするお兄ちゃん・お姉ちゃんの姿もありました。

そんな彼らは、やっとおつかいを終えた時、お父さんとお母さんの腕の中で、
張った糸が緩んだような、泣きたくなるほどの安心感に満たされていたのでしょう。

マサトも全く同じ心境にあったのではないかと思いました。

■ジョーイ「風邪をこじらせ、肺炎になりかけて…」
ポケモンにも肺があるんだ!!
あ、いや、そりゃあるか…
でも、なんかビックリしちゃいました。

■「約束だもんね……行こう…。」
すごくしょげちゃったマサト…。

■「大切なラルトスを、お前らなんかに渡せるもんかぁっ!!」
マサト、意識は既にラルトスのトレーナーです。

■ラルトス「ラルーッ」
マサト「ラルトスーッ!!」
いちょうが舞った!!
その中で抱き合うマサトとラルトス。
ポケモンでこういうのが見れるなんて嬉しい!!
初めてでは??

この回の冒頭で、森の中を駆けるマサトを背景に、
エコーするようにハルカやマサトの対話を重ねる演出もありました。
これも合わせて、ポケモンでは滅多に見かけない情景描写です。
なんだかそれだけでワクワクしてしまいます。

■マサト「ボクだってサヨナラは嫌だよ。でも、しょうがないんだ。」
10歳に満たない子どもは、自分のポケモンを持つことを許されない。
”時間”しか解決方法のない、どうしようもない、壁。

苦しむラルトスを前にして泣いていたように、
マサトはやはり、トレーナーになるには早いのかもしれない。
でも、別れの辛さなんて、年齢なんか関係ない。

子猫を拾ってしまったときのような、
そんな哀しい思い出に、今日の話は似ている気がする。

■「ラルトス、ボクがトレーナーになったら、一緒に旅をしてくれる?」
マサト「そのときは、キミを必ず迎えに来るからね!!」
ラルトス「約束よ。 必ず私を迎えに来てね…」

…今まで真面目に語ってきた分、
ここでカクッと方向転換してしまうのですが…
「ポケ日記」の2003年11月29日に描いたことがあるように、、
トレーナーになったマサト未来話の妄想は楽しいです。
今回の話を見て、「未来マサトとラルトスの物語を作る同盟」でも作ろうか、
と思っているほどです。 <こんな私に、どなたかご意見ください…

そんな暴走もしてしまいそうなくらい、
今日の話はメッセージが強かった、ってことですね。

2005年の特番は、10歳になって旅に出たマサトが、
まっさきにこのセルロスタウンに隣接する森にやってきて、
ラルトスを探す話を是非ともやって頂きたい。
マサト未来話、切望!!

■ラルトスって目があるんですね。
そりゃ、キルリアもサーナイトもあるから
公式画像に無くても実際はあるかもしれません。
でも、「えっ!」と思ってしまいました。慣れないから。

■あぁっ!!
最初から最後まで、綺麗絵づくしだった!!
全部コマ送りにしてさえ楽しめる、ハイクオリティな回だと思います。

■EDの歌詞が変わったっ♪
『スマイル』のように、歌詞2番を使うなんて、ナイスアイディア!
絵は変わってないけど、今のは何度見ても楽しめるから変えなくて良いと思います。

■「こうして、ラルトスとの辛い別れを経験したマサト。
しかしそれは、再び出会うまでの、始まりの時でもあるのだ。
一つ一つの出会いに思いを馳せ、サトシたちの旅は、まだまだ続く。」
なんだかカッコイイこと言ってます、ナレーションさん。
そして、綺麗な結びだと思います。
脚本家さん、ありがとうございます。

サトシたちの旅は、出会いと別れの連続だ。
泣いたり、笑ったり、怒ったり、悲しんだり…。
自分の色んな感情を、外に出して、
あるいは逆に回りの感情を受け止めて…。

そうやって、子どもたちは旅を続ける。
そうやって、子どもたちは大きくなっていく。

そんな姿を、これからも見守り続けたいと思う。

ここまでお読みくださり、ありがとうございました!
ハルミ 050106

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